FC2ブログ

「ノルウェイの森」

村上春樹。。
なんとなく敬遠していて、読んだことがありませんでした。。





読んでみようかなと思ったきっかけは、

     フランス語のクラス・メイトが、「好きな作家はムラカミハルキ」と言うし。。
     ヨーロッパの本屋さんでは、必ずムラカミハルキを見かけるし。。
     ノーベル文学賞に一番近い作家らしいし。。

日本人として、読んでおいた方がいいのかしら。。と思ったんです。。(^_^.)

今度日本に帰った時に、何冊か買って来ようと思っていたら、嬉しいことに貸して頂きました。
久し振りの日本語の本なので、開けたら最後、止まらなくなってしまいました。。(^_^.)

読む前までは、村上春樹って、ちょっとおしゃれな、透明感のある?小説と思っていました。
タイトルも「ノルウェイの森」だし。。
出だしも、何となくそんな感じ。。



・・・でも、違いました。

**以下、内容についての記述があります。**

精神を病んでしまった恋人と、彼女を待ち続ける主人公、それを取り巻く人々。。
でも普通の恋愛ではなく、かなり歪んだ人間関係です。

「直子」は「私が存在していたことを忘れないでね。」と言うけれど、実は「僕」のことは愛していない。
「僕」も毎週直子に手紙を書き、訪ねても行くけれど、それは「僕」が毎日ネジを巻く為の・・・無気力な毎日をきちんと生きて行く為の行為に過ぎない。

二人の間には、熱い感情があるわけではなく、二人を結んでいるのは、17歳で自殺した親友「キズキ」。
直子とキズキの幼馴染のカップルにとっては、「僕」は外の世界につながる唯一の糸口。

子供から思春期へ、そして大人へと、うまく変わって行くことの出来ない若者の苦悩が描かれます。
結局、キズキと直子は生きることを諦め、「僕」は生命力旺盛な女性「緑」の存在に救われます。

うまく生きられない人々と、どんな状況でも生き抜ける人々、そのコントラストの間で、「僕」の存在感は薄く、ぼんやりとした印象でした。


年齢が近いせいか、登場人物の中では、直子の療養所のルーム・メイト「レイコ」さんを、一番身近に感じました。
音楽家として、将来を有望視されていた学生時代から一転、夢を失い、精神を病むレイコさん。
それでも、結婚し、子供も生まれ、幸せな生活を築きます。
彼女が語る、「その後自分を待っていた落とし穴」にはちょっとがっかりでしたが、それでも彼女の人生は、私自身に照らし合わせて、感じるものがありました。

直子の死をきっかけに、レイコさんは「僕」に「強くなりなさい。幸せになりなさい。」と伝える為に、療養所を出て生きることを決心します。
物語の中で、彼女が一番はっきりとした輪郭を持っていたように思いました。



それにしても、性描写ばかりの記述に、正直辟易しました。。
透明感のある小説・・・なんて、とんでもなかったです。。(^_^.)

思うに、物語の中では、「性=生」なのかもしれません。

どんなことがあっても生き抜ける人達(永沢さんや緑達)は、性においても、貪欲でオープンです。

うまく生きることのできない直子は、性的に不能です。
彼女は、たった一度の「僕」との関係において、生きていると実感できたのかもしれません。
それが、彼女が「僕」とつながっていたい理由であり、普通に戻れるかもしれないという希望でもあるように思いました。
しかし、自ら命を絶つ決心をした時、彼女が一緒に暮らしたいと思った相手はレイコさんであり、「僕」ではないのです。。



直子が話す、「野井戸」の話が冒頭に出て来ます。

どこかに、ただ穴のあいただけの野井戸があって、そこに落ちてしまう人がいる、という暗いお話。
それは、神経症的な恐怖感を、よく描いていると思います。

そうして、直子はそこへ落ちてしまうかもしれないけれど、「僕」は絶対に大丈夫だと言うのです。
「僕」は、ちゃんとした道を離れることはないのだと。。

その違いは何なのでしょうか。


もし私が、この小説が出版された1987年にこの本を読んでいたら、たぶん、私は自分自身を、直子と同じ野井戸に落ちてしまう人だと思ったに違いありません。

     「深刻に考えすぎないこと、距離を置くこと」

キズキの死後、「僕」が選んだ生き方です。
この姿勢が、「僕」をぼんやりとした印象にさせるのかもしれません。
でもそうしなければ、「僕」もまた、キズキや直子と同じ様に、野井戸の闇に飲み込まれてしまったでしょう。


現実の会社生活で、「僕」と同じ様な状況に相対した時、旦那様が言った一言が、全く同じでした。
     
     「深刻になりすぎると、いけないんだ」

20年程前、まだストレスという言葉は珍しいものでした。
バブルの時代、仕事もせずに遊んでいたようなイメージですが、実際は、その裏で過酷な社会生活を送っていた人も多かったのです。
私を含め、知っているだけでもたくさんの人が、激務で体を壊していました。

これまで、「ノルウェイの森」を手に取らなかった理由は、これだったのかも。。
たぶん、あの頃の私では、とても読めなかったと思います。
内容は知らなかったのに、本能的に避けていたのかな。。

社会で潰れないように生きる為には、どうしても「僕」がとった姿勢が必要です。
深刻にならず、他人と距離を置き、時に任せて忘れて行く。。

そんな寂しい社会生活を補うには、温かな人間関係が必要だと思います。
それは、家庭かもしれないし、友達かもしれない。。

「僕」は、緑との間にそんな関係を見出します。

「僕」の寂しい姿勢が、キズキの死を発端としている以上、キズキに繋がる直子との関係は、どこまで行っても、幸せにはなれなかったのかもしれません。。
または、もし二人でキズキの死を乗り越えられたなら、彼の生きる姿勢も変えることができたのかもしれません。。
ただ、直子の家庭環境から、直子がキズキの死を乗り越えるのは、かなり厳しいと言えます。

「僕」には緑という希望が残っているのですが、せっかくの彼女との関係も、どうやら、「僕」を変えることはできなかったようです。



18年後の僕は、ビートルズの「ノルウェイの森」を聞いて、直子を思い出します。

「ノルウェイの森」は、直子のお気に入りの曲でした。
でも、彼女はこの曲を聞くと、森で迷って出られないような気分になる・・・と言います。
野井戸がある森のイメージでしょうか??
好きな理由としては、ちょっと不可解です。


私がビートルズを聞いていたのは、ちょうど高校3年生から短大時代。
まさに「僕」の年代です。
私にとっては、社会に出る前の、一番希望に満ちた時代でした。

懐かしくビートルズを思い出したのですが、「ノルウェイの森」って、どんな曲だったっけ??
久しぶりに聞いてみて、「あぁ、この曲だったのね。。」→ Norwegian wood

この題名を付けている以上、歌詞と小説にはつながりがあるんじゃないかしら・・・と思いました。


改めてビートルズの「ノルウェイの森」の歌詞を確認してみたら、「ノルウェイの森」は森を歌った歌ではなくて、「ノルウェイ産の木材(Norwegian Wood)の部屋」のことなんだそうです。→ The Beatles
            ・・・そうだったんだ。。(@_@。

それでも、木の部屋には、どこか、森をイメージさせる部分があるように思います。。


副題は「This bird has flown(鳥は逃げてしまった。。)」

And when I awoke, I was alone, this bird had flown.
So I lit a fire, isn't it good, Norwegian wood.

朝目が覚めると、一人きり。。
鳥は・・・彼女はいなくなってしまった。。
そうして、僕は火を付けた。(煙草の火?)
ノルウェイ産の木材、いいと思わないかい?


直子の迷うイメージよりも、直子の死後残された僕のイメージです。

ビートルズの「ノルウェイの森」で描かれる情景が、そのまま小説の「ノルウェイの森」にも出て来ますが、どちらかというと、この部分が重要に思います。

「ノルウェイの森」を聞く度、「僕」がまず思い出すのは、直子と過ごした濃密な時間よりも、あの野井戸のある草原の風景です。
その草原からは、怯えた鳥が2羽飛び立って行きます。

そうして、段々に、直子の顔を思い出し、キズキや他の「ふと思いついたように自ら命を絶った友人達」との日々、その果てに一人残された自分を思い出し、哀しくてたまらなくなります。
深刻にならず、人と距離を置いて生き続けている自分・・・18年経っても尚、自分はいったいどこにいるのだろうかと。。

とても、寂しい小説だと思いました。。



最近、この小説が、ベトナム系フランス人の監督によって映画化されると聞きました。
たぶん・・・観ないかな。。(^_^.)


村上春樹が好きかどうか、1冊だけでは何とも言えません。
もう何冊か、読んでみようと思います。



P.S. 「僕」の立場で聞くんだったら、、私はビートルズの「The long and widing road」とか「in my life (Bette midlerの歌っている!)」の方がいいな。。


                          Pome2

こんにちは~!

Makiさんの今日の日記を読んで、それこそ子供の頃?ってくらい昔に読んだ
ノルウェーの森の内容を、まっっ・・たく覚えていない事が良く分かりました・・・。
どうなっているのか私の脳みそ・・・(^_^;) 
(でも思い返すとこの方の本ってどれも内容を忘れている気が・・・汗)
当時、新鮮で面白くて一気に読んだ覚えはあるのですが。

私も海外で韓国人のお友達に「僕のお気に入りの本はノルウェイの森だ!」と言われました。
なのにその頃既に内容を覚えておらず、「ああ、読んだ。」としか言えず・・・なんだか申し訳ない!
でも今読見返せば感じる事は間違いなく違うと思うので、
一度実家で探して再度読んでみようかと思います。
でもでもでも、映画は見てみようと思います。(笑)
理由→男優さんなどに興味が無い私が唯一興味のある男優さん、松山ケンイチさん(若干24歳!)が主演だからです=3 ←ミーハー過ぎ。
(でも内容はあんまり期待していないのですが。)

私は近所の気の知れたお友達数人と遊んで?いるのですが、
みんな本の回し読みをしていて結構な量があるので、
Makiさんがハーグだったら沢山本を回せたのにな。。。残念。って思います!

Re: Makuiさんへ

コメント、ありがとうございます(*^_^*)。

> Makiさんの今日の日記を読んで、それこそ子供の頃?ってくらい昔に読んだ
> ノルウェーの森の内容を、まっっ・・たく覚えていない事が良く分かりました・・・。

うふふふ、Makuiさん、本当に?忘れちゃってました?

> (でも思い返すとこの方の本ってどれも内容を忘れている気が・・・汗)
> 当時、新鮮で面白くて一気に読んだ覚えはあるのですが。

他の本も、「ノルウェイの森」路線なんでしょうか?
村上春樹って、最初は流行作家って感じでしたね。。
そういえば、学生の頃、宮本輝の「青が散る」が面白いよと言われて読んだのですが、あまり面白くなくて、がっかりしたことがあります。。(^_^.)

> 私も海外で韓国人のお友達に「僕のお気に入りの本はノルウェイの森だ!」と言われました。

やっぱり、外国では人気なんですね。。

> でも今読見返せば感じる事は間違いなく違うと思うので、
> 一度実家で探して再度読んでみようかと思います。

年齢によって、感じ方って変わって来ると思うので、改めて読むのも、また楽しいですよね。
若い頃に「ノルウェイの森」を読んでいたら、今と全然違う印象だったんだろうなって思います。

> 理由→男優さんなどに興味が無い私が唯一興味のある男優さん、松山ケンイチさん(若干24歳!)が主演だからです=3 ←ミーハー過ぎ。

松山ケンイチ君は、人気俳優さんなのですか?
私、キャストの俳優さんの中で、菊池凜子さんしかわからなかったんですよ~。。やばいかも?(^_^.)

> みんな本の回し読みをしていて結構な量があるので、
> Makiさんがハーグだったら沢山本を回せたのにな。。。残念。って思います!

おぉ!日本文学回し読みの会、楽しそうですね!
現代作家が中心ですか?
いいですね♪

Makiさんへ

こんにちは。
私も先日、担当の病院の先生に、「今、日本の小説読んでるんだよ~ 村上 春樹って知ってる?」って聞かれました。ノルウェーの森でした。ずーっと昔に、読んだことがあったか、買ったものの読み終えなかったのか、質問されてこたえられませんでした(苦笑) 
この機会に、読んでみようかな~と思ったものの、まだ実行していません(笑)

Re: Makiさんへ

crocusさん、コメントありがとうございます(*^_^*)。

> こんにちは。
> 私も先日、担当の病院の先生に、「今、日本の小説読んでるんだよ~ 村上 春樹って知ってる?」って聞かれました。ノルウェーの森でした。ずーっと昔に、読んだことがあったか、買ったものの読み終えなかったのか、質問されてこたえられませんでした(苦笑) 
> この機会に、読んでみようかな~と思ったものの、まだ実行していません(笑)

本当に、ノルウェイの森や村上春樹を読んでいる外国人の方、多いんですね!
どの部分が、そんなに惹かれるのかなぁ?って、ちょっと知りたいです。。
外国に住む時は、村上春樹読んでないと、だめでしょうか。。(^_^.)

そういえば、crocusさんちのシマちゃん、大きくなりましたね!
可愛いですねぇ♪
Secre

Les paroles d'or



presented by 地球の名言

chez maki

chezmaki

Author:chezmaki
進むべき道へ、自ずと導かれますように。。

twitter

votre langue

英語English
韓国語 한국어
中国語 中文
フランス語 Franc,ais
ドイツ語 Deutsch
イタリア語L'italiano
スペイン語 Espan~ol
ポルトガル語 Portugue^s
Present's by サンエタ

最新記事

FC2カウンター

月別アーカイブ

カテゴリ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード

QRコード

検索フォーム